玄関のインテリアといえば、額に入った絵画や写真を壁にかける、靴棚を置いて、その上に花を飾る…などが一般的。インテリア関連の雑誌でも、「玄関の装飾」はよく出るテーマのひとつだ。「玄関を広く見せよう」とかね。
昔のフランス映画を見ていると、ジャン・ギャバン(Jean Gabin)とかが、玄関口で壁にかかった帽子を手に取って被る、というシーンがあったりする。帽子は決まって、フェルトのボルサリーノ。ギャバンが出ていた映画だったら、だいたい1940年から1960年代のものなので、当時は、壁の帽子かけは玄関インテリアのひとつだったのかもしれない。
義父母がこの家を所有した1960年代初めから、玄関の壁にあったと思われる帽子かけ。外出時にはフェルト帽を必ず被っていた義父が、鏡を見ながら帽子の位置を確認し、玄関扉を開けていた…という姿が想像できる。
義母がひとり暮らしをしていた頃は、彼女のコートやら作業着やらが山ほどぶら下がっていた。こんなに素敵なデザインだったなんて、知らなかった。この帽子かけは、今でも玄関の壁にかけてある。ただし、「使うのは帽子だけ。ごちゃごちゃとなんでもかけないでね」と夫に伝えている。
鏡にちょこっと写っているのは、玄関の脇にある屋根裏までつづく螺旋階段の手すり。
過去の関連記事
「螺旋階段は屋根裏へ」
