カルチャーショックは水瓶から…

雑貨・用具・飾り物

私の部屋の隅には、四角い陶器の流しと真鍮でできたレトロな蛇口がついている。はじめてこの家を訪れた時、蛇口の下に、高さが30センチくらいの水瓶が置かれていて、側にはホウロウの洗面器があり、タオルが数枚重ねられていた。部屋を案内してくれた義母いわく、「ここで洗面したり身体をきれいに出来るのよ。水しか出ないから、バスルームに行って、この瓶にお湯を汲んできてね」。えーっ!!!陶器の水瓶は空でも重く、お湯なんか入れたら、とても運んでこられそうもない。義母のお言葉だが、私は朝晩バスルームを使わせてもらった。

これは、ちょっとしたカルチャーショック。日本には、江戸時代から銭湯があり、温泉もある。みんな裸で湯を楽しむという習慣がある。ところが、フランスでは、風呂に入ったり身繕いをしたりというのは、とてもプライベートなことらしい。大きな家やアパートだと、寝室それぞれにバスルームがついていたりもする。義母が私に水瓶を使うように言ったのは、決して意地悪ではなく「気兼ねなく、自分のお部屋で自由に裸になってね」という気遣いだったと思われる。

使われなくなった水瓶は、いつの間にか部屋の外に出され、廊下の片隅に置かれていた。底の裏側に刻印があった。どこかで見たような…。そうだ!以前投稿した「アヤメ」のピッチャーと同じオナン(Onnaing)陶器製造のものだ。ネットで調べたら、水瓶とお揃いで、陶器の洗面器も作られていたらしいが、見あたらないので、元々なかったのか、壊しちゃったのか。

久しぶりにじっくりと眺めてみたら、縁のところが欠けていた。これはもう、金継ぎで修繕だ!

過去の関連記事
アヤメを描いたピッチャー