日本のクリスマスのケーキといえば、イチゴと生クリームのショートケーキ。私が子どもの時分からショートケーキなので、流行りすたりのない根強い習慣だ。
フランスでは、ビュッシュ・ド・ノエル(Bûche de Noël)をクリスマスのデザートに食べる。もちろん、別のデザートでも構わないのだが、伝統的にこれ。「ビュッシュ」は「薪」のことで、昔々クリスマスイブに太い丸太を暖炉にくべる風習があったことから、丸太の形をしたケーキをこの日に食べるようになったという説もある。でもまあ、地方によって色々な伝えがあるらしい。
ビュッシュは、ロールケーキにたっぷりとバタークリームを塗り、丸太のように見せたものが昔からのスタイル。でも最近は、「バタークリームは、ちょっと胃に優しくないよね」とか言う人もいて、チョコレートムースやフルーツなどを使ったものが多く売られていたりする。
「デザート大好き、ビュッシュはバタークリーム一択」という夫のため、10日くらい前から市内のお菓子屋を観察し、ここと決めた店にイブの午前中に行ってみた。すると店先には長い行列。「こういう所は美味しいに決まってる」。売り切れ寸前のビュッシュをひとつ買うと、クリスマス用の可愛い箱に入れてくれた。
夫が希望していたコーヒー風味は売れ切れていてヴァニラ味。新鮮なバターを使った贅沢な甘い香りが鼻をくすぐる。あー、今夜の食事が待ち遠しい。

