売却したお祖母さんの家(事情は「プロフィール」で)の敷地にあった車庫は、木工職人だったお祖父さんの仕事場だった。そこには、1970年代半ばに亡くなったお祖父さんの仕事道具が「そのまま」という感じで残されていた。のこぎりや金槌のほか、名前も知らないような、いや見たこともないような道具がいっぱいあった。こういった金物はきちんと油紙に包まれていて、ほとんどが錆びてもいなかった。50年も経つのに。お祖父さん、さすがプロだ。
大工DIY大好き、物置くらいだったら木材を買ってきて自分で建てるという隣人に話したら、目を輝かせてやって来た。道具と引きかえに、不要なものやゴミを廃棄場に持って行ってもらうという条件で商談成立。倉庫だけでなく、家の中の片付けも手伝ってくれた。
夫も道具のいくつかをキープ。私は、道具には興味がなかったので、それとは別に気になったものをいくつか取っておくことにした。まずは、なにかの金属で出来た「誰か」。帽子を被って、開襟シャツに裾広がりのパンタロン。靴の形といい、なんかおしゃれだ。お祖父さんは、夫が幼い頃に、木の切れっ端や余った素材などでよくオモチャを作ってくれたらしいので、そのひとつかも。
「祖父母は犬を飼っていて、それに似ているようだ」と夫がいう犬の絵。なんせ、彼が2つか3つの時の話らしく、はっきりしない。お祖父さんが描いたのかな。それとも印刷もの?
真ん中の黒い金属で出来た猫の顔には、ギョロっとしたビー玉の目がついている。口元がギザギザなのも不気味。「魔除けにしよう」と自分の部屋の壁につるしておいた。すると、しばらくして偶然、この猫の正体がわかった。園芸品店に立ち寄った際、肥料や殺虫剤コーナーで同じ猫の顔(ただ、金属ではなくプラスティック製)がいくつもぶら下がっているのを発見。なんだと思う?「鳩避け」だった。「ビー玉が太陽の光線に反射し、鳩が怯えて寄り付かない~」と宣伝文句のビラが貼ってあった。案山子みたいなもんか。バルコニーに鳩が居座り巣を作ったという話を聞いたりするので、需要があるのかも。
私はこのまま、壁につるしておこうっと。
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