カヌヴァ刺繍って知っている?

手芸・布類・道具

義母によるカヌヴァ(canevas)刺繍。数多くの作品の中のひとつで、海の側に住んでいたからか、海にまつわるテーマが多い。家のあちこちにカヌヴァ刺繍が飾られているという風景は、1970年代というか、いかにもヴィンテージ。

カヌヴァはキャンヴァスのこと。キャンヴァス生地は目の詰まった厚手の平織りで、バッグやスニーカーなんかも作ったりする。でも、手芸の世界で「カヌヴァ」といえば、刺繍を思い浮かべるのが一般的だ。すでに色つきの絵柄が描かれたキャンヴァス地に、クロスステッチまたはハーフステッチで刺繍をしていくというものだ。針が通しやすいようキャンヴァスにはあらかじめ穴が空いているので作業が進む。

義母が亡くなって、彼女の持ち物を整理していたら、作りかけのカヌヴァがあった。木の刺繍用フレームについたままで。帆のついた船、飛んでいる鳥たちは仕上げたものの、海の半分と空の部分が終わっていない。義母は、はじめた作業を途中で投げ出すようなタイプではないので、何か続けられない理由があったのかもしれない。どうする、私が仕上げてみようか?

実は、カヌヴァという手芸、20世紀の遺物で今ではすっかり廃れているのだと私は思い込んでいた。ところが、最近、手芸品を扱う店でカヌヴァのセットが売られているのを見かけて、ちょっとびっくり。いくつかの絵柄のキャンヴァス地があり、それぞれに必要な刺繍糸がセットになっていた。ついでに調べたら、日本でも「フランスの刺繍セット」とかで同じようなものが売られているので、さらにびっくり。