部屋によっては壁の一部がはがれ落ちていたり、断熱材が1世紀前のシロモノで今では使用が禁止されていたり…色々とケチがつけられている家だが、立ち寄ってくれた業者や建築家がほめてくれるのが螺旋階段。
1階から3階の屋根裏までつづく階段で、長い年月を経て手すりのあちこちに傷がついているものの、重厚な素材は傷んでも魅力を失わない。手すりやそれを支えている柱棒(手すり子というらしい)はなめらかで、1世紀以上も前から頑丈に存在していると思うと、なお愛おしい。
階段を上る途中に高さ2メートルほどの窓がついていて、暗くなりがちな古い家に光を注ぐ重要な役割を果たしている。
今でこそ、「いい運動」と鼻歌まじりに何度も階段の上り下りをしているが、ふと思う。この先本格的に年老いたら、3階まで上るのは難儀になってしまうかもな…。

